Peu frequente

plath2.exblog.jp ブログトップ

尊敬出来る人

私が本当に料理上手だと思う人は亡くなってしまったと、この間書いたけれどその方、Kさんは息子の幼稚園の時に知り合いになった。
私とは18も年の差がある方だが、ものすごく気さくで、若いお母さん方とも上手く渡り合える社交的な人だった。

何故、幼稚園にそんなご年配の方が?と思ったらお孫さんだった。
Kさんの息子さんの嫁とその家族がとんでもない人で、初めはKさん家族と同居していたのだが、ある日黙ってお孫さんを連れて失踪してしまい、Kさんは興信所に依頼してようやく見つけたらしい。
そして、息子さんとお嫁さんは離婚。
お孫さんの面倒はKさんがみるようになった。

Kさんは私にだけはその嫁の事を結構愚痴ってた。
息子さんもすごくいい人なんだが、どうも仕事が続かない人で、Kさんはご苦労されていた。

本当にKさんは立派だわ。
愚痴を聞くたびに、そう思った。

そんなある日、Kさんが血液の病気であることが判明し、入院して治療することになった。
ガンではないんだが、まあガンみたいなもの。
私はお見舞いに行きたかったが、Kさんの娘さんから病気の姿を見られるのはイヤだという事を聞き、見舞いを遠慮した。
これがKさんの美学なのだろう。
同情されるのとかイヤなんだろう。
そして人に余計な心配をかける事もイヤなんだろう。
本当に奥ゆかしい人。この表現合ってないかもしれないが。

だってあんなに料理が上手いのに一度だって自慢した事なんかなかったもんね。
だからこそ私はすごく慕っていたんだけど。

何ヶ月か経って、娘さんからKさんが亡くなったと、連絡が来た。

え?嘘でしょう?
この間、Kさん大丈夫か訊いた時、大丈夫って言ってたじゃん。
私はなかなか受け入れる事が出来なかった。
本当に大切なお友達だったから。

亡くなった直接の原因は、容態が急変し、気道確保するのに気管挿管する時に大人用の太い管(名称わからん)を使ったから。
散々抗がん剤?で体にダメージを受けていたKさんの気管は細くなっていて、子供用の管でなければいけなかったのに、無理矢理大人用のを挿管したらしい。それが死因だった。

え?それって医療ミスみたいなもんじゃない?
亡くなった後でそれを聞いた時そう思ったが、Kさんのご家族は何も言わず受け入れたらしい。
良くしてくれたからと。
どこまであなた方は……。

葬儀の時も、Kさんの旦那さん、娘さん、息子さん、お孫さん、誰一人泣いてないの。
みんな気丈に振る舞っていた。

旦那さんなんて、もうおじいちゃんなのに、これからKさんの代わりにお孫さんと、ちょくちょく仕事辞める体の弱い息子さん、それから同居しているKさんの実のお母さんの面倒、家事全般しなくちゃいけないのに。娘さんは結婚しているのでそうそう頼れない。
私ならもう考えるだけでブルーだ。

お孫さんもKさんがお母さん代わりだったのに。
本当のお母さんは、自分の子供を捨てたようなもんだから、それだけでも辛い思いしてる筈なのに、そういうのを普段から微塵も感じさせない子達。

それなのに私はメソメソ泣いていた。
涙が止まらなかった。
本当に泣きたいのはKさんのご家族なのに、どうしても涙を堪える事が出来なかった。
母ちゃんが死んだ時より泣いていた。
いい歳して恥ずかしいと思いながらも、我慢出来なかった。

その後も、うちの息子とお孫さんが仲が良かったので遊びに行く機会があったが、Kさんの旦那さんは私なんかよりちゃんと家事をしていた。

命日にお線香をあげにお邪魔した時も、(娘さんに伺って大丈夫か連絡してから行った)わざわざケーキを用意してくださる気遣い。

本当にすごいよ。
何一つ愚痴言わないでいつもニコニコ。
人生苦労だらけなのに黙ってそれを受け入れる。淡々と日々を過ごす。
隣人にワンちゃんまで殺されてるのに。わざとじゃないらしいが。苦情も入れなかったらしい。

こういう人たちこそ、私にとっては心から尊敬出来る人なの。

あともう一人、Mさんという人生超ハードモードの方がいて、その人も尊敬する。
詳しくは書かないが、私には真似出来ないと思う。
Mさんも弱音を吐かない。毒舌だけど。
私のバカ姉の事も心から心配してくれる。
だから私も信頼している。

他の人は私がバカ姉の事を思い出すのも嫌なのに勝手に詮索して来て、
「良かった、そんなお姉ちゃん持たなくて♪」
とか、
「どうすればいいの〜(ドロイド君)」
だからね。
どうすればってこっちが聞きたいわ。ドロイド君も使わないでよ、軽々しく。
だから自分からは言いたくない。
ここには愚痴るけど。

「頑張ってます」アピールする人よりも、私は苦労してるのに淡々と人生を生き抜く人が好きだ。

生きる事は難しい。
私なんてジジイとバカ姉だけでも精神的にアップアップなのに、世の中にはもっと大変な苦労をしながら生きている人がたくさんいる。

苦しみに耐えられる力は人それぞれだし、どう生きようがそれはその人の勝手だが、私が尊敬出来る人はKさんやそのご家族、Mさんのような人だ。



[PR]
by plath | 2017-06-27 18:51 | ひとりごと
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー